寒くなってくると冷え性の方にはきびしい季節です。厚着をしたりしても、手先、足先などの末端は外からはなかなか温まりにくいときもあります。そんなときは、冷えに効くホットドリンクで体の内側から温めましょう。今回はドリンクに注目して、冷えの改善のために避けたほうがよい飲み物、とったほうがよい飲み物と、体の芯からあたたまるホットドリンクのレシピをご紹介します。
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体を冷やす飲み物
まずは体を冷やす飲み物を知っておきましょう。よく飲む飲み物も、ホットドリンクにすれば必ずしも体を温めるわけではありません。
カフェインを多く含むもの
・コーヒー
・緑茶、抹茶
カフェインは少量だと血行を促進しますが、取りすぎると体を冷やすことがあります。また、もともと南国が原産のコーヒーは体を冷やします。不発酵茶である緑茶や抹茶も、東洋医学では陰性(=体を冷やす)ものとされています。同じカフェインを含むものに紅茶がありますが、茶葉を発酵させることによって体を温める作用が高まります。
白砂糖を多く含むもの
・清涼飲料水
・缶コーヒー など
砂糖の原料はサトウキビですが、一般的に熱い地方で採れるサトウキビには体を冷やす作用がああります。さらに、精製された白砂糖は体内に吸収すると急激に血糖値を上げ下げするため、手足が冷える低血糖症になりやすく、一番体を冷やしやすいと言われています。おなじサトウキビからとれる黒糖や、じゃがいもの根からとれるてんさい糖は体を冷やしにくいです。
麦を原料とするもの
・麦茶
・ビール
・ウイスキー
・焼酎
夏によく飲む麦茶。実は麦には体温を下げる働きがあり、ウイスキーや焼酎など、麦を原料とするお酒にも同様の働きがあります。夏にビールをよく飲んだり、沖縄など暑い地方で焼酎がよく飲まれるのは、実は理にかなっているのです。
南国のフルーツを含むもの
南国で採れるフルーツや夏に食べるフルーツには体を冷やす作用があります。一般に水分量が多いフルーツは体を冷やしやすいのですが、種類によって冷やしにくいものもあります。フルーツ自体が体に悪いわけではないので、食べるときは体を温める食べ物と一緒にとる、冷蔵庫で冷やしすぎないなど工夫をするとよいでしょう。スムージーなども常温がおすすめです。
[体を冷やしやすいフルーツ]
・バナナ
・マンゴー
・スイカ
・メロン
・キウイフルーツ
・みかん
・レモン
・グレープフルーツ
・柿
・梨
[体を冷やしにくいフルーツ]
・リンゴ
・ぶどう
・オレンジ
・いちじく
・さくらんぼ
・あんず
・桃
・プルーン
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体をあたためる飲み物
さて、それではどんな飲み物をとったらいいのでしょうか?ここでは体をあたためる飲み物をご紹介します。体をあたためる作用のあるものを「陽性」といいますが、一般的には黒や赤など色の濃い食材や、発酵茶、発酵食品などは陽性にあたります。
発酵させたもの
・プーアール茶
・ルイボスティー
・紅茶
・ほうじ茶
プーアール茶は中国の発酵茶です。緑茶と同じ茶葉ですが、発酵させることにより体を温める作用が高まります。代謝を上げ、体を内側からポカポカとさせてくれます。同じ発酵茶であるルイボスティー、紅茶にも同様のことが言えます。
ほうじ茶は発酵茶ではないですが、焙煎することによりカフェインが少なくなるため、体を冷やしにくく、冷え性におすすめのお茶です。またほうじ茶の香りにはリラックス作用があり、暖かくして飲めば副交感神経を刺激して末端の血行を良くする効果が期待できます。
「根」からとれるもの
・ごぼう茶
・葛(くず)湯
ごぼう、葛など植物の「根」からとれるものは体を温めるものが多いです。ごぼうはもともと薬として日本に伝わったもの。発汗作用があり体をあたためてくれます。味はごぼうの香ばしい香りがし、さっぱりとしています。
葛餅、葛湯でおなじみの「葛(くず)」はマメ科の葛の根からとれたもの。生薬の「葛根湯」がおなじみですね。消化にやさしいだけでなく、喉の炎症を抑える作用があり、風邪のひきはじめやお腹を壊したときにもおすすめです。
ポリフェノールを含むもの
・ココア
・赤ワイン
ポリフェノールを含むものも冷え性に有効です。ポリフェノールが直接体をあたためるというより、冷え性の原因となる血流の悪化を改善してくれます。チョコレートにもポリフェノールが含まれていますが、市販のチョコレートはそれ以上に砂糖が大量に含まれているため、冷え性にはあまり効果的とは言えません。
米を原料とするもの
・紹興酒
・日本酒
・甘酒
麦を使ったお酒が体を冷やすのに対し、米を使ったお酒は体をあたためます。紹興酒はもともと、中国の寒い地方で体を温めるために飲まれていたものです。日本で飲まれる日本酒には、アデノシンという血管拡張物質が多く含まれており、他のお酒とくらべて最も体を温める作用が強いと言われています。寒い時期に飲まれる甘酒も同様で、酒粕から作られた甘酒には新陳代謝を改善して血行をよくする作用があります。
体を温める調味料、スパイス
・しょうが
・にんにく
・シナモン
・クローブ
・ブラックペッパー
・黒酢
・黒糖
・てんさい糖 など
スパイスには体を温めるものが多くあります。シナモンやブラックペッパー、しょうが、にんにくなどは手に入りやすいので、飲み物や食べ物に積極的にとりいれましょう。また、黒糖やてんさい糖など色のついた砂糖も、ミネラルが多く体を温める作用があります。
冷え性改善のおすすめホットドリンクレシピ7選
以上の飲み物をそのまま飲んでも冷え性改善効果はありますが、組み合わせることでさらに体の芯からポカポカできます。冷え性改善の食材を含んだ、おすすめのホットドリンクレシピをご紹介します。
はちみつジンジャーホットレモン
[材料]
・すりおろし生姜 ティースプーン半分くらい
・はちみつ 大さじ2
・レモンスライス 2枚
・水 180ml
コップに材料をすべて入れ、熱湯をそそいでよくかき混ぜます。生姜はすりおろした方が美味しいですが、チューブでもOKです。生姜の量を増やすとちょっぴりピリリとするジンジャーエールになります。レモンスライスがない場合は市販のレモン汁を小さじ1〜2杯加えます。
スパイシーホットココア
[材料]
・牛乳または豆乳 180ml
・ココアパウダー 大さじ1
・はちみつ 大さじ2
・シナモンパウダー 少々
・ジンジャーパウダー 少々
ココアパウダーには少量の牛乳(豆乳)を加え、あらかじめペースト状に練っておきます。そのココアペーストに、のこりの牛乳(豆乳)、はちみつ、スパイスを合わせて小鍋で沸騰直前まで温めます。コップの中でココアペーストをつくり、あたためた牛乳を注いでも手軽にできます。
ホットワイン
[材料]
・赤ワイン 150ml
・はちみつ 大さじ1
・オレンジ、レモンなど 1カット
(またはオレンジジュース 50ml)
・シナモン(スティックまたはパウダー)少々
・好みのスパイス(ブラックペッパー、クローブなど)少々
材料を全て混ぜて小鍋で沸騰直前まで温め、火を止めます。フルーツを取り出し、そのまま30分ほど置くとスパイスの香りが溶け出します。お酒に弱い方はオレンジジュースなどで割ってもOKです。手軽に作るなら、赤ワイン、はちみつ、シナモンパウダーにオレンジジュース50mlを加え、電子レンジでゆっくり温めても。
ホットアップルサイダー
[材料]
・りんごジュース 150ml
・すりおろしりんご 1/4個分
・シナモン(スティック またはパウダー)適量
・はちみつ(お好みで)
材料をすべて混ぜて小鍋であたためます。リンゴジュースだけでもできますが、すりおろしりんごがあると本格的です。クリスマスシーズンのニューヨークの風物詩とも言えるアップルサイダー。本場では濁ったリンゴジュースで作りますが、日本ではなかなか手にはいらないため、すりおろしリンゴを加えて代用しました。甘さが足りない方ははちみつを足してください。
りんご葛湯
[材料]
・葛粉 大さじ1
・りんご 1/2個
・水 180ml
小鍋に水をいれ、りんごをすばやくすり下ろします。葛粉はあらかじめ大さじ1〜2杯の常温の水で溶いておきます。鍋を火にかけ、沸騰したら弱火にして溶いた葛粉を加え、素早くかき混ぜます。最初は白かった葛粉が透明になってきたら火からおろしてできあがり。消化によいのでお腹を壊したときにもおすすめです。
梅ほうじ茶
[材料]
・梅干し 1個
・ほうじ茶 適量
梅干し1個をコップに入れ、熱々のほうじ茶をかけ、梅干しを崩しながらいただきます。梅干しには発汗作用があり、冷えた体を温めます。飲みにくい場合ははちみつを加えてください。
はちみつ黒酢ドリンク
[材料]
・はちみつ(黒糖でも可) 大さじ2
・黒酢 少々 小さじ1
・水 180ml
コップにはちみつと黒酢をいれ、熱湯をそそいでよく混ぜます。黒酢で体のつかれを取る効果もあります。はちみつのかわりに体を温める作用のある黒糖を加えてもよいです。
まとめ
冷え性改善のホットドリンクレシピ、いかがでしたか?食材によっては苦手なもの、好きなものもあると思いますが、色んなレシピがあるので、自分の好みの味を見つけてみてください。内側から温めて、体も心もポカポカで冬を乗り切りたいですね。
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