旧暦では2月のことを「如月(きさらぎ)」と呼びます。
「きさらぎ」という音も、「如月」という漢字もあまり馴染みがない感じがしますが、いったいどのような意味なのでしょうか。
2月が「如月(きさらぎ)」と呼ばれるようになった由来や、その他の呼び名、2月の時候の挨拶や風物詩について調べてみました。
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2月の別名「如月(きさらぎ)」の由来と意味
「如月(きさらぎ)」という名前の由来は、この時期の気候にあります。
大寒をすぎたこの時期ですが、「寒の戻り」などでまだまだ寒く、人々は衣をさらに着込むことになります。
このことから、「きぬさらにき=衣更着(絹更着とも書く)」が「きさらぎ」となったという説が有力です。
それ以外にも、日ごとに陽気が暖かくなることから「気更来(きさらぎ)」、草木が生え始めるころなので「生更木(きさらぎ)」「息更来(きさらぎ)」と綴ることもあります。
また、前年の8月に雁が来て、さらに燕が来ることから「来更来(きさらぎ)」と呼ばれたなど、由来には諸説あります。
ちなみに、「如月」という字は中国での2月の異名をそのまま使ったもので、日本語の「きさらぎ」とは関係がないようです。
2月のその他の別名
- 如月・衣更月・着更着・絹更月(きさらぎ)
- 雪消月・雪解月(ゆきぎえづき・ゆきげづき・ゆきげしづき)
- 梅月(うめつき)
- 梅見月(むめみづき・うめみつき・うめみづき)
- 初花月(はつはなつき)
- 花春(かしゅん)
- 草木張月(くさきはりづき)
- 木芽月(このめつき)
- 早緑月(さみどりづき)
- 建卯月(けんぼうげつ・けんうげつ)
- 仲春(ちゅうしゅん)
- 仲陽(ちゅうよう)
- 雁帰月(かりかえりづき)
旧暦の2月は、今でいうと3月ごろ。
梅月、木芽月、健卯月など、花のつぼみが膨らみはじめ、木の芽が息吹く様子が感じられる月名が多いですね。
一歩づつ、春の足音が近づいてくるような印象があります。
2月の時候の挨拶
2月の時候の挨拶としては、次のようなものが使われます。
改まった挨拶
- 立春の候
- 向春の候
- 春雪の候
- 余寒の候
- 梅花の候
- 春寒の候
- 節分の候
- 寒気は冴えかえり
- 余寒なお去りがたきおりから
- 立春とは名のみの寒さ
- 暦の上に春は立ちながら
例文
- 立春の候、皆様におかれましては、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
- 余寒なお去りがたきおりから、皆様にはますますご壮健のことと拝察いたします。
親しい間柄への挨拶
- 春の陽気が待ち遠しい今日この頃
- 冬の名残りがなかなか去らず
- 寒気も少しずつ緩み始めましたが
- 梅の便りが届く季節となりました
- 梅のつぼみがほころぶ季節となり、春の訪れが待ち遠しく感じます。
- 暦の上では春ですが、まだまだ厳しい寒さが続いております。
例文
- 寒気も少しずつ緩み始めましたが、皆様いかがおすごしでしょうか。
- 梅の便りが届く季節となりました。皆様お元気でお過ごしでしょうか。
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2月の風物詩
節分(せつぶん)
立春の直前の2月3日は節分(せつぶん)です。
これは、かつては立春に年が改まるとされていたので、節分に一年の穢れ(けがれ)を祓い、無病息災を願う風習とされていました。
神棚には「福豆」を供え、玄関には魔除けに鰯の頭と柊の葉を飾ります。
夜になったら家中の戸を開け放ち、「鬼は外、福は内」と言いながら豆をまきます。その後、自分の年齢の数だけ豆を食べて一年の無病息災を祈ります。
関西ではその年の恵方(縁起の良い方向)を向いて恵方巻きを食べる風習がありますが、最近は全国的に定着してきています。
立春(りっしゅん)
立春(りっしゅん)は二十四節気のひとつで、2月4日ごろにあたります。
「春が立つ」と書くとおり、暦のうえでは春を迎え、寒さが次第にやわらいでいきます。しかし、実際には立春が一年のなかで一番寒い時期でもあります。
旧暦では立春を一年のはじまりとし、この前後にお正月を祝いました。今でも中国や韓国では、1月1日よりもこの「旧正月」をメインに祝います。
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初午(はつうま)
二月最初の午の日を「初午(はつうま)」といい、稲荷神社に参拝する風習があります。
この風習は京都の伏見稲荷大社が発端でしたが、その後全国各地の稲荷神社の祭り日となりました。
「初午」につづく二度目の午の日の「二の午」、三度目の午の日である「三の午」の日にお祭りが行われる場合もあります。
雨水(うすい)
「雨水(うすい)」は二十四節気のひとつで、2月18日ごろにあたります。
「雨水(うすい)」というのは「雪が雨になり、根雪が溶けてせせらぎとなる」という意味で、暖かく春めいた気候に変わり始める頃です。
気候は「三寒四温」と言われるように、暖かい日と寒い日が繰り返すような季節の変わり目です。
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まとめ
2月の別名の由来と風物詩、いかがでしたか。
寒さのピークを超え、日に日に暖かさを感じはじめる季節の変わり目です。
「立春」になっても梅の蕾がほころぶのは少し先ではありますが、一歩ずつ近づく春の足音に、耳を澄ませたいですね。
以上、2月の別名の由来と風物詩をまとめました。
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