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2月の別名・旧暦名「如月(きさらぎ)」の意味と由来、時候の挨拶・風物詩

投稿日:2017年8月21日 更新日:

旧暦では2月のことを「如月(きさらぎ)」と呼びます。

「きさらぎ」という音も、「如月」という漢字もあまり馴染みがない感じがしますが、いったいどのような意味なのでしょうか。

2月が「如月(きさらぎ)」と呼ばれるようになった由来や、その他の呼び名、2月の時候の挨拶や風物詩について調べてみました。

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2月の別名「如月(きさらぎ)」の由来と意味

「如月(きさらぎ)」という名前の由来は、この時期の気候にあります。

大寒をすぎたこの時期ですが、「寒の戻り」などでまだまだ寒く、人々は衣をさらに着込むことになります。

このことから、「きぬさらにき=衣更着(絹更着とも書く)」「きさらぎ」となったという説が有力です。

それ以外にも、日ごとに陽気が暖かくなることから「気更来(きさらぎ)」、草木が生え始めるころなので「生更木(きさらぎ)」「息更来(きさらぎ)」と綴ることもあります。

また、前年の8月に雁が来て、さらに燕が来ることから「来更来(きさらぎ)」と呼ばれたなど、由来には諸説あります。

ちなみに、「如月」という字は中国での2月の異名をそのまま使ったもので、日本語の「きさらぎ」とは関係がないようです。

2月のその他の別名

  • 如月・衣更月・着更着・絹更月(きさらぎ)
  • 雪消月・雪解月(ゆきぎえづき・ゆきげづき・ゆきげしづき)
  • 梅月(うめつき)
  • 梅見月(むめみづき・うめみつき・うめみづき)
  • 初花月(はつはなつき)
  • 花春(かしゅん)
  • 草木張月(くさきはりづき)
  • 
木芽月(このめつき)
  • 早緑月(さみどりづき)
  • 建卯月(けんぼうげつ・けんうげつ)
  • 仲春(ちゅうしゅん)
  • 仲陽(ちゅうよう)
  • 雁帰月(かりかえりづき)

旧暦の2月は、今でいうと3月ごろ。

梅月、木芽月、健卯月など、花のつぼみが膨らみはじめ、木の芽が息吹く様子が感じられる月名が多いですね。

一歩づつ、春の足音が近づいてくるような印象があります。

2月の時候の挨拶

2月の時候の挨拶としては、次のようなものが使われます。

改まった挨拶

  • 立春の候
  • 向春の候
  • 春雪の候
  • 余寒の候
  • 梅花の候
  • 春寒の候
  • 節分の候
  • 寒気は冴えかえり
  • 
余寒なお去りがたきおりから
  • 立春とは名のみの寒さ
  • 暦の上に春は立ちながら

例文

  • 立春の候、皆様におかれましては、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
  • 余寒なお去りがたきおりから、皆様にはますますご壮健のことと拝察いたします。

親しい間柄への挨拶

  • 春の陽気が待ち遠しい今日この頃
  • 冬の名残りがなかなか去らず
  • 寒気も少しずつ緩み始めましたが
  • 梅の便りが届く季節となりました
  • 梅のつぼみがほころぶ季節となり、春の訪れが待ち遠しく感じます。
  • 暦の上では春ですが、まだまだ厳しい寒さが続いております。

例文

  • 寒気も少しずつ緩み始めましたが、皆様いかがおすごしでしょうか。
  • 梅の便りが届く季節となりました。皆様お元気でお過ごしでしょうか。

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2月の風物詩

節分(せつぶん)

立春の直前の2月3日は節分(せつぶん)です。

これは、かつては立春に年が改まるとされていたので、節分に一年の穢れ(けがれ)を祓い、無病息災を願う風習とされていました。

神棚には「福豆」を供え、玄関には魔除けに鰯の頭と柊の葉を飾ります。

夜になったら家中の戸を開け放ち、「鬼は外、福は内」と言いながら豆をまきます。その後、自分の年齢の数だけ豆を食べて一年の無病息災を祈ります。

関西ではその年の恵方(縁起の良い方向)を向いて恵方巻きを食べる風習がありますが、最近は全国的に定着してきています。

立春(りっしゅん)

立春(りっしゅん)は二十四節気のひとつで、2月4日ごろにあたります。

「春が立つ」と書くとおり、暦のうえでは春を迎え、寒さが次第にやわらいでいきます。しかし、実際には立春が一年のなかで一番寒い時期でもあります。

旧暦では立春を一年のはじまりとし、この前後にお正月を祝いました。今でも中国や韓国では、1月1日よりもこの「旧正月」をメインに祝います。

こちらの記事もご参照ください↓
春の旧暦一覧(二十四節気)

初午(はつうま)

二月最初の午の日を「初午(はつうま)」といい、稲荷神社に参拝する風習があります。

この風習は京都の伏見稲荷大社が発端でしたが、その後全国各地の稲荷神社の祭り日となりました。

「初午」につづく二度目の午の日の「二の午」、三度目の午の日である「三の午」の日にお祭りが行われる場合もあります。

雨水(うすい)

「雨水(うすい)」は二十四節気のひとつで、2月18日ごろにあたります。

「雨水(うすい)」というのは「雪が雨になり、根雪が溶けてせせらぎとなる」という意味で、暖かく春めいた気候に変わり始める頃です。

気候は「三寒四温」と言われるように、暖かい日と寒い日が繰り返すような季節の変わり目です。

こちらの記事もご参照ください↓
春の旧暦一覧(二十四節気)

まとめ

2月の別名の由来と風物詩、いかがでしたか。

寒さのピークを超え、日に日に暖かさを感じはじめる季節の変わり目です。

「立春」になっても梅の蕾がほころぶのは少し先ではありますが、一歩ずつ近づく春の足音に、耳を澄ませたいですね。

以上、2月の別名の由来と風物詩をまとめました。

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