旧暦では8月の夏まっさかりの時期から秋が始まります。少しずつ暑さが和らいでいき、虫たちが鳴き始める、気持ちのよい季節のはじまりです。
二十四節気というのは、春分、夏至、秋分、冬至などを含めた旧暦の呼び方で、3週間ごとに区切って季節の変化を名付け、1年を24の暦に分けたものです。
七十二候というのはそれより更に細かく、二十四節気のそれぞれをさらに初候・次候・末候の3つに分けたものです。すべて合わせると1年で72の呼び名があります。
それでは、秋の旧暦を見ていきましょう。
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秋の旧暦一覧(二十四節気七十二候)
立秋(りっしゅう)
初めて秋の気配が立つころ。まだ夏まっさかりですが、これ以降の暑さを残暑と呼びます。
(新暦では8月7日〜22日ごろ)
*2019年立秋は8月7日
初候・涼風至る(りょうふういたる)
涼しい風が初めて立つころです。秋の気配の始まりです。
(8月7日〜8月11日ごろ)
次候・寒蝉鳴く(ひぐらしなく)
朝夕にひぐらしが鳴くころです。ひぐらしは7月から見られますが、昔の人はさみしげな声に秋の訪れを感じたのかもしれません。
(8月12日〜8月16日ごろ)
末候・蒙霧升降す(のうむしょうこうす)
深い秋の霞が立ち込めるころです。
(8月17日〜8月22日ごろ)
処暑(しょしょ)
処暑とは、暑さが少し和らぐ頃です。朝夕が少し涼しくなり、虫の声が聞こえ、秋の気配を感じ始めるころです。
(新暦では8月23日〜9月6日ごろ)
*2019年処暑は8月23日
初候・綿柎開く(わたのはなしべひらく)
綿の実を包む萼が開き、綿毛がとれるころ。かつてはこの時期に綿を摘み、糸を紡ぎました。
(8月23日〜8月27日ごろ)
次候・天地始めて粛し(てんちはじめてさむし)
ようやく暑さが収まり始めるころ。夏の気が落ち着き、万物があらたまる時期とされます。
(8月28日〜9月1日ごろ)
末候・禾乃登る(こくものみのる)
田に稲が実り、穂をもたらすころ。禾とは、稲や栗などの穀物のことを言います。
(9月2日〜9月6日ごろ)
白露(はくろ)
大気が冷えてきて露を結ぶころのこと。ようやく暑さが引いていき、本格的に秋が訪れます。
(新暦では9月7日〜21日ごろ)
*2019年白露は9月7日
初候・草露白し(くさのつゆしろし)
草に降りた露が白く光って見えるころ。朝夕の涼しさが際立ってきます。
(9月7日〜9月11日ごろ)
次候・鶺鴒鳴く(せきれいなく)
鶺鴒が鳴きはじめるころです。鶺鴒は日本書紀にも登場する鳥で、イザナギとイザナミに男女の交わりを教えたことから、恋教え鳥と呼ばれています。
(9月12日〜9月16日ごろ)
末候・玄鳥去る(つばめさる)
春先に訪れたつばめが南へと渡っていくころです。
(9月17日〜9月21日ごろ)
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秋分(しゅうぶん)
秋分は、春分と同じく昼夜の長さが同じになる日のことです。除々に日が短くなり、秋が深まっていきます。秋のお彼岸がこのころです。
(新暦では9月22日〜10月7日ごろ)
*2019年秋分は9月22日
初候・雷乃声を収む(かみなりこえをおさむ)
夕立に伴う雷が鳴らなくなるころです。入道雲が消え、空が高くなっていきます。
(9月22日〜9月27日ごろ)
次候・蟄虫戸を坏す(すごもりのむしとをとざす)
虫が隠れて戸を閉ざすころ。虫たちが巣ごもりの支度をはじめます。
(9月28日〜10月2日ごろ)
末候・水始めて涸る(みずはじめてかる)
田から水を抜き、稲刈りにとりかかるころ。収穫の秋のピークです。
(10月3日〜10月7日ごろ)
寒露(かんろ)
寒露とは、露が冷たく感じられてくるころのこと。秋が深まり、除々に空気が澄んでいきます。
(新暦では10月8日〜22日ごろ)
*2019年寒露は10月8日
初候・鴻雁来る(がんきたる)
雁が北から渡ってくるころのこと。その年初めて見る雁の群れを初雁(はつかり)といいます。
(10月8日〜10月12日ごろ)
次候・菊花開く(きっかひらく)
菊の花が咲き始めるころ。菊は古来より薬草として重用されてきました。
(10月13日〜10月17日ごろ)
末候・蟋蟀戸に在り(きりぎりすとにあり)
きりぎりすが戸口で鳴くころ。豊かな虫の声が楽しめるころです。
(10月18日〜10月22日ごろ)
霜降(そうこう)
霜降とは、朝夕がぐっと冷え込んで霜が降りるころのことです。秋の寒さが深まっていきます。
(新暦では10月22日〜11月6日ごろ)
*2019年霜降は10月23日
初候・霜始めて降る(しもはじめてふる)
霜が始めて降りるころです。足元から冷えを感じるようになってきます。
(10月23日〜10月27日ごろ)
次候・霎時施す(しぐれときどきほどこす)
時雨が降るようになるころのことです。さっと降っては晴れる秋の時雨は、野山の生き物が冬支度を始める合図でもあります。
(10月28日〜11月1日ごろ)
末候・楓蔦黄なり(もみじつたきなり)
紅葉や蔦が色づくころ。木の葉が紅葉し、山粧う秋です。
(11月2日〜11月6日ごろ)
まとめ
2019年の秋の旧暦の日をまとめると、
- 立秋(りっしゅう)・8月7日
- 処暑(しょしょ)・8月23日
- 白露(はくろ)・9月7日
- 秋分(しゅうぶん)・9月22日
- 寒露(かんろ)・10月8日
- 霜降(そうこう)・10月23日
となります。
七十二候で季節を見ていくと、ひとつの時期が4〜6日間ととても短いのに驚きます。
昔の日本人は本当に季節の変化を細やかに感じていたことがわかりますね。
あやめの花や桐の花、季節の花は次々と咲きますが、咲いている期間はなんだかあっという間です。
旧暦を意識することで、そんな一瞬の季節の変化を細やかに感じてみるのも、素敵ですね。
以上、秋の旧暦一覧でした。
(参考文献)
2020年・春の旧暦一覧(二十四節気七十二候)
2020年・夏の旧暦一覧(二十四節気七十二候)
2019年・2020年・冬の旧暦一覧(二十四節気七十二候)
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