桜が咲き終わり、ゴールデンウィークに入るころから新緑が輝きはじめます。そして梅雨が明け、夏まっさかりの8月上旬までが旧暦では夏にあたります。
二十四節気というのは、春分、夏至、秋分、冬至などを含めた旧暦の呼び方で、3週間ごとに区切って季節の変化を名付け、1年を24の暦に分けたものです。
七十二候というのはそれより更に細かく、二十四節気のそれぞれをさらに初候・次候・末候の3つに分けたものです。すべて合わせると1年で72の呼び名があります。
それでは、夏の旧暦を見ていきましょう。
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2017年・夏の旧暦一覧(二十四節気七十二候)
立夏(りっか)
立夏とは、しだいに夏めいてくるころのことです。緑が深まる、気持ちのよい五月晴れの季節です。
(新暦では5月5日〜20日ごろ)
*2020年立夏は5月5日
初候・蛙始めて鳴く(かえるはじめてなく)
田んぼで蛙が泣き出します。端午の節句があり、藤の花が咲き出すころです。
(5月5日〜5月9日ごろ)
次候・蚯蚓出ずる(みみずいずる)
暖かさに誘われてみみずが土の中から出てくるころです。土を肥やす大切な役割を果たします。
(5月10日〜5月14日ごろ)
末候・竹笋生ず(たけのこしょうず)
たけのこが土から顔を出す季節です。3月ごろに出回っているのは実は中国原産の孟宗竹。日本原産の真竹はこのころに旬を迎えます。
(5月15日〜5月20日ごろ)
小満(しょうまん)
小満とは、いのちがしだいに満ちてくるころ、という意味です。草木も花々も、虫や獣の生き物たちも日の光に輝いてくるころです。
(新暦では5月21日〜6月4日ごろ)
*2020年小満は5月20日
初候・蚕起きて桑を食う(かいこおきてくわをくう)
蚕が桑の葉を食べて育つころです。養蚕がさかんだった昔の日本ではこの時期に桑の葉をつみました。旧暦の4月にあたるこの時期は「木の葉摂り月」という別名があります。
(5月21〜5月25日ごろ)
次候・紅花栄う(べにばなさかう)
紅花がいちめんに咲き、花摘みが行われるころ。紅花からは化粧の紅をとっていました。
(5月26日〜5月30日)
末候・麦秋至る(ばくしゅういたる)
麦が熟して収穫するころです。麦は秋ではなく、初夏に収穫されます。「麦秋」というと初夏のことです。
(5月31日〜6月4日)
芒種(ぼうしゅ)
稲の穂先にある針のような突起を「芒(のぎ)」とよびます。
稲や麦など穂の出る植物の種を蒔くころのことです。
(新暦では6月5日〜20日ごろ)
*2020年芒種は6月5日
初候・蟷螂生ず(かまきりしょうず)
かまきりが生まれるころです。稲や野菜には手をつけず、害虫を捕まえてくれるかまきりは、畑仕事の味方でした。
(6月5日〜6月9日ごろ)
次候・腐草蛍となる(ふそうほたるとなる)
蛍が明かりを灯し、飛び交うころです。昔の人は、腐った草が蛍に生まれ変わると信じていました。
(6月10日〜6月15日ごろ)
末候・梅子黃なり(うめのみきなり)
梅の実が熟して黄色く色づくころです。梅酒にする梅は熟す前の青いものを、梅干しにする梅は熟した実を使います。暦のうえでは入梅。雨の季節です。
(6月16日〜6月20日ごろ)
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夏至(げし)
夏至は一年でもっとも日が長く、夜が短いころのことです。本格的に夏らしくなり、日に日に暑さが増していきます。
(新暦では6月21日〜7月6日ごろ)
*2020年夏至は6月21日
初候・乃東枯る(なつかれくさかれる)
うつぼぐさの花穂(生薬として使われます)が黒ずんで、枯れたように見えるころです。
(6月21日〜6月25日ごろ)
次候・菖蒲華さく(あやめはなさく)
あやめが花を咲かせるころ。梅雨到来の合図です。
(6月26日〜6月30日ごろ)
末候・半夏生ず(はんげしょうず)
半夏(からすびしゃく)が生え始めるころです。田植えを終わらせる節目とされました。
(7月1日〜7月6日ごろ)
小暑(しょうしょ)
小暑とは、梅雨が明けて本格的に夏になるころのことです。この小暑から立秋にかけてが暑中見舞いの季節です。
(新暦では7月7日〜21日ごろ)
*2017年小暑は7月7日
初候・温風至る(おんぷういたる)
夏の風が熱気を運んでくるころ。梅雨明けのこの頃の風を白南風(しろはえ)と呼びます。
(7月7日〜7月11日ごろ)
次候・蓮始めて開く(はすはじめてひらく)
蓮の花が咲き始めるころです。
(7月12日〜7月16日ごろ)
小暑・鷹乃学を習う(たかわざをならう)
鷹のひなが、巣立ちするために飛び方を覚えるころ。
(7月17日〜7月21日ごろ)
大暑(たいしょ)
大暑とは、その文字の通り、もっとも暑い夏の時期のことです。土曜のうなぎ、花火、夏祭りなどの風物詩が楽しめるころです。
(新暦では7月22日〜8月6日ごろ)
*2020年大暑は7月22日
初候・桐始めて花を結ぶ(きりはじめてはなをむすぶ)
桐が淡い紫の花を咲かせる頃です。
(7月22日〜7月27日ごろ)
次候・土潤いて溽し暑し(つちうるおいてむしあつし)
熱気がまとわりつく蒸し暑いころです。
(7月28日〜8月1日ごろ)
末候・大雨時行る(たいうときどきふる)
夏の雨が時に激しく降る頃です。入道雲が夕立をもたらします。
(8月2日〜8月6日ごろ)
まとめ
2020年の夏の旧暦の日をまとめると、
- 立夏(りっか)・5月5日
- 小満(しょうまん)・5月20日
- 芒種(ぼうしゅ)・6月5日
- 夏至(げし)・6月21日
- 小暑(しょうしょ)・7月7日
- 大暑(たいしょ)・7月22日
となります。
七十二候で季節を見ていくと、ひとつの時期が4〜6日間ととても短いのに驚きます。
昔の日本人は本当に季節の変化を細やかに感じていたことがわかりますね。
あやめの花や桐の花、季節の花は次々と咲きますが、咲いている期間はなんだかあっという間です。
旧暦を意識することで、そんな一瞬の季節の変化を細やかに感じてみるのも、素敵ですね。
以上、夏の旧暦一覧でした。
(参考文献)
2020年・春の旧暦一覧(二十四節気七十二候)
2019年・秋の旧暦一覧(二十四節気七十二候)
2019年・2020年・冬の旧暦一覧(二十四節気七十二候)
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