秋は月の美しい季節です。
澄んだ夜空に輝く満月を見ていると、心まで透き通っていくようですね。
満ち欠けとともに姿を変えていく月ですが、実は「満月」や「三日月」以外の月にも、それぞれ名前があります。
今回は、そんな月の満ち欠けと月の名前をまとめました。
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月の満ち欠けと月の名前
旧暦では、月の満ち欠けのサイクル(大の月を30日、小の月を29日として)を基準にしています。
ひと月は必ず新月(朔・一日)から始まり、上弦の月(8日頃)、満月(15日ごろ)、下弦の月(23日ごろ)を経て、再び新月に戻ります。
昔の人々はこのサイクルが潮の干満をはじめ、自然界に影響を及ぼすことを経験的に知っていました。
そんな昔の人がそれぞれの月につけた名前を、月齢とともにご紹介します。
なお、月齢とは新月から数えたおおよその日数のことです。
新月(しんげつ)【月齢0】
月齢が0の月が、「新月(しんげつ)」です。「朔(さく)」ともいいます。
月が太陽と地球の間になり、地球からは全く見えません。
月のはじめの「一日(ついたち)」のことを「朔日(さくじつ)」と呼ぶのは、もともと新月のことを指していたのですね。
繊月(せんげつ)【月齢2】
月齢2日目の月は、繊月(せんげつ)です。
二日月(にかづき)や既朔(きさく)ともいいます。
日が沈んだあとに、糸のように細い月が見えることがあります。
三日月(みかづき)【月齢3】
月齢3日目の月が、三日月(みかづき)です。
若月(わかづき)、初月(ういづき)、眉月(まゆづき)などさまざまな呼び名があります。
ようやく見えはじめるのはこの月からです。
上弦の月(じょうげんのつき)【月齢7.5】
月齢7.5日ごろの月が、上弦(じょうげん)の月です。
弓張月(ゆみはりづき)や、半月(はんげつ)ともいい、弓を引いた時の弦の側(欠けているほう)が斜め上にむいたまま真夜中に沈みます。
十日夜月(とおかんやのつき)【月齢10】
月齢10日目の月を十日夜月(とおかんやのつき)と呼びます。
文字通り十日目の月でで、十日月(とおかづき)ともいいます。
半月よりもすこしふっくらした形です。
十三夜月(じゅうさんやづき)【月齢13】
月齢13日目の月が、十三夜月(じゅうさんやづき)です。
十五夜に次いで美しい月とされ、月見の宴が催されました。
これから満ちる縁起のよい月です。
小望月(こもちづき)【月齢14】
月齢14日目の月は、小望月(こもちづき)です。
待宵(まつよい)、幾望(きぼう)ともいい、満月の前夜を指します。
「幾」には「近い」という意味があります。
満月(まんげつ)【月齢15】
月齢15日目の月は、満月(まんげつ)です。
望月(もちづき)、十五夜(じゅうごや)とも呼ばれ、英語ではフルムーン。
月がちょうど太陽の反対側に来るため、日没ともに月が出ます。もっとも美しく見える月で、古来より月見の宴が行われました。
満月以降はおよそ50分ずつ、月の出が遅くなっていきます。
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十六夜(いざよい)【月齢16】
月齢16日目の月は「十六夜」と書いて「いざよい」と呼びます。
「いざよい」とは「ためらう」という意味で、十五夜よりやや遅れて現れる様子が、ためらっているように見えるために、この呼名がつきました。
既望(きぼう)、不知夜月(いざよいづき)とも呼ばれます。
立待月(たちまちづき)【月齢17】
月齢17日目の月を、立待月(たちまちづき)と呼びます。
十六夜よりさらに遅れて出るため、日が沈んだあと、立って待っている間に月が出て来るという意味です。
居待月(いまちづき)【月齢18】
月齢18日目の月は、居待月(いまちづき)です。
居待月の「居」は「すわっている」という意味で、月の出がさらに遅れるため、立って待っていては疲れるので、座って待つ月という意味です。
寝待月(ねまちづき)【月齢19】
月齢19日目の月は、寝待月(ねまちづき)です。
臥待月(ふしまちづき)ともいい、月の出がますます遅くなるので寝て待つという意味があります。
更待月(ふけまちづき)【月齢20】
月齢20日ごろの月を、更待月(ふけまちづき)と呼びます。
夜が更けてから昇る月の意味です。
亥の刻(22時ごろ)に昇ることから、亥中(いなか)の月ともいいます。
下弦の月(かげんのつき)【月齢22〜23】
月齢22〜23日ごろ、下弦(かげん)の月が現れます。
弦に当たる部分(まっすぐの方)が上を向いた状態で深夜に昇り、日中に弦を下に向けて沈みます。
上弦の月も下弦の月も、夜中に見えるときは弦が上を向いているので、区別がつきにくいかもしれません。
夜中に沈むのが上弦の月、夜中に昇るのが下弦の月、と覚えておくとよいでしょう。
有明月(ありあけづき)【月齢26】
月齢26日ごろの月を有明月(ありあけづき)と呼びます。
もともとは満月以降の月の総称で、明け方になっても残っている月のことを指します。
26日目ごろの月は三日月を反転させたような形で、午前3時ごろに昇り、夕方太陽が沈む前に沈んでしまいます。
三十日月(みそかづき)【月齢30】
月齢30日は、三十日月(みそかづき)です。
晦(つごもり)とも言います。太陽とほぼ同時に出てくるので、月の姿は見えません。
月が満ち欠けが一周して、新月に戻ります。
まとめ
月の満ち欠けと名前、いかがでしたか。
「十六夜(いざよい)」や「立待月(たちまちづき)」など、満月のあとの月の美しさを惜しむような、月が昇るのが待ち遠しいような気持ちが感じられる名前は、とても風流ですね。
月の昇る時刻は季節によって違いますが、月を待ちながら、心静かにすごすのも良いかもしれませんね。
以上、月の満ち欠けと名前をご紹介しました。
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