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豆知識

秋の七草とは?由来と覚え方、春の七草との違いについて

投稿日:2017年9月30日 更新日:

七草粥でおなじみの春の七草。

実は、その春の七草に対し、「秋の七草」というのもあるのです。

春の七草ほどは有名ではないようですが、秋の七草とは、どんな草花なのでしょうか?

春の七草のように、食べて楽しむのでしょうか?

今回は、秋の七草についてまとめてみました。

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秋の七草とは?

萩(はぎ)、桔梗(ききょう)、尾花(おばな)、撫子(なでしこ)、藤袴(ふじばかま)、葛(くず)、女郎花(おみなえし)の7つの花を、秋の七草と呼びます。

秋分(9月21日ごろ)の頃に咲きそろう秋の七草。

もともとは、奈良時代の歌人、山上憶良(やまのうえのおくら)が万葉集において選定したのがはじまりです。

万葉集では、こう書かれています。

「秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり)
かき数ふれば 七種(ななくさ)の花
萩の花 尾花葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴
朝貌(あさがお)の花」
万葉集 山上憶良(やまのうえのおくら)

ちなみに、この中で「朝貌(あさがお)」というのは、夏によく見る朝顔ではなく、桔梗のことを指しています。

春の七草は、食べて無病息災を願うのに対し、秋の七草は眺めて楽しむものです。

したがって、春の七草のように七草粥にはしません。

けれど実際には、葛(くず)や藤袴(ふじばかま)など薬草として親しまれていたものもあります。

昔の人々は、植物を本当に生活の一部として捉えていたのですね。

秋の七草・それぞれの特徴と花言葉

萩(はぎ)

 

萩(はぎ)は七草のひとつですが、実は草花ではなく、マメ科の落葉低木です。

秋を彩る花の代表として古くから日本人に愛され、『万葉集』では140首以上詠まれました。

秋の彼岸に供える「おはぎ」はこの萩の花からきています。

【花言葉:思案】

桔梗(ききょう)

桔梗(ききょう)は紫色の星形の花を咲かせる、秋の代表的な花です。

『万葉集』で「朝顔」と呼ばれているのは、この桔梗のことだと言われています。

根は生薬としても用いられており、9月第三月曜日の敬老の日に贈ることもあります。

【花言葉:誠実】

尾花(おばな)

尾花(おばな)はススキのことです。

イネ科の植物で、稲穂のような形の先に白や赤、黄色の花を咲かせます。

昔は「茅(かや)」と呼ばれ、枯れてもなかなか折れない頑丈さから、屋根材に用いられていました。

『万葉集』でも多く詠まれている秋の草花の代表です。

【花言葉:活力】

撫子(なでしこ)

撫子(なでしこ)はピンク色の可憐な花を咲かせます。

日本女性を表す「大和撫子」の由来の花で、大伴家持が好んで歌に詠んだと言われています。

5枚の花びらはフリンジがついたような形をしているのが特徴です。

【花言葉:純愛】

女郎花(おみなえし)

女郎花(おみなえし)は8月〜10月に黄色い小さな花を咲かせます。

たおやかな美人に例えられ、『万葉集』で14首詠まれているほか、『源氏物語』にもよく登場します。

解熱、解毒作用のある生薬としても使われます。

【花言葉:美人、約束を守る】

葛(くず)

葛(くず)はつる性で、成長すると10mにまで伸びる強い植物です。

8月〜9月にかけて、穂のような形の部分に紫色の甘い香りの花を咲かせます。

根からとったでんぷんが葛粉で、くず餅や葛切りとしておなじみです。

根を煎じたものは発汗、鎮静作用のある生薬としても使われ、風邪や胃腸不良に古くから用いられてきました。漢方では「葛根湯」が有名ですね。

【花言葉:芯の強さ】

藤袴(ふじばかま)

藤袴(ふじばかま)は紫色の小さな房状の花を咲かせます。

香りが強く、平安貴族が衣服や髪につけていたと言われています。

利尿作用のある薬草としても用いられていました。

【花言葉:ためらい】

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覚え方

秋の七草の覚え方をいくつかご紹介します。

五・七・五・七・七のリズムで覚える

春の七草と同様、秋の七草も五・七・五・七・七のリズムで覚えることができます。

秋の七草を五・七・五のリズムで並べると、こうなります。

はぎ・ききょう (五音)
すすき・なでしこ (七音)
おみなえし (五音)
くず・ふじばかま (七音)
秋の七草 (七音)

この順番だと、短歌と同じリズムになるので、覚えやすいと思います。

「おすきな服は?」

秋の七草のラインナップはすでにご存知という方なら、頭文字で覚えると忘れません。

代表的な語呂合わせが「おすきな服は?」です。

「おすきなふくは」の7文字が、七草それぞれの頭文字になります。

 …おみなえし
 …すすき
 …ききょう
 …なでしこ
 …ふじばかま
 …くず
 …はぎ

「ハスキーなおふくろ」

もうひとつ、頭文字で覚える方法として、「ハスキーなおふくろ」というものもあります。

最後の「ろ」から始まる七草はないので、「ろ」は語呂合わせのおまけです。

 …はぎ
 …すすき
きー …ききょう
 …なでしこ
 …おみなえし
 …ふじばかま
 …くず
(ろ)

まとめ

秋の七草、いかがでしたか?

春の七草と違よりも、香りのよい、可憐な花が多いように感じます。

見た目で秋を感じる草花、というのも納得できますね。

漢方に使われているものも多いので、その薬効にも注目してみてもよいかもしれません。

以上、秋の七草についてまとめました。

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